10代の団体に取材するとき依頼の書き方と未成年への配慮
10代の社会参加を扱う企画は増えています。一方で、取材の入口でつまずく例も多く見てきました。
理由は、こちら側にもあります。学生団体は窓口が個人のSNSしかなかったり、返信が数日空いたりします。ただ、依頼文の書き方で通りやすさが変わるのも事実です。
この記事は、取材を受ける側の実務から、依頼と調整の進め方を書いたものです。
この記事は、こんな方に向けています
- 10代の社会参加・主権者教育をテーマに取材する記者・ディレクター
- 学生団体へ初めて取材依頼を出す方
- 未成年の氏名・写真・録画の扱いを確認したい方
- 締切が近く、事実確認を早く進めたい方
- コメント取材や資料提供だけを依頼したい方
依頼文に必要な6項目
短くて構いません。次が書かれていれば、その日のうちに可否を返せます。
| 項目 | 必要な理由 |
|---|---|
| 媒体名と番組・企画名 | 掲載の文脈が分かる |
| 取材テーマ | 誰に当てるかが決まる |
| 聞きたいことの範囲 | 準備できる/できないを判断できる |
| 形式と所要時間 | 対面・オンライン・書面で調整先が変わる |
| 希望日程(複数) | 学業と重なるため幅が要る |
| 掲載・放送の予定時期 | 未成年の同意取得に日数が要る |
逆に、「若者の声を聞かせてください」だけの依頼は、返答に最も時間がかかります。誰に何を聞くかがこちらで決められないためです。
TEIGEN JPの場合、取材のご連絡はメール件名に 【取材】 と明記のうえ contact@teigenjp.org へお願いしています。写真やロゴなどの素材のみをご希望の場合は、件名を 【素材請求】 とし、媒体名・用途・掲載予定時期をお知らせください。
未成年への配慮は、3つに分けて確認する
「未成年だから配慮が必要」とひとまとめにすると、調整が止まります。実際には性質の違う3つです。
- 氏名の公開範囲——実名/学年と地域のみ/完全匿名
- 顔の写り方——顔出し可/後ろ姿・手元のみ/不可
- 二次利用——本編のみ/SNS切り抜き/アーカイブ配信
TEIGEN JPは、未成年メンバーの情報を本人と保護者の同意の範囲でのみ掲載しており、学年と地域だけの匿名表記としている箇所があります。取材の際もこの範囲で調整させてください。
同意の取得には日数がかかります。掲載予定時期を最初に伝えていただけると、間に合う範囲で人選できます。

質問は、経験を特定して渡す
10代への取材でよくあるのが、「今の若者は政治に関心がありますか」という問いです。
答える側は世代を代表できないため、一般論を話すしかなくなります。結果として、誰が話しても同じになる原稿ができあがります。
聞き方を変えるだけで、その人にしか言えない話が出ます。
- 一般論ではなく、本人が実際に決めたことを聞く
- うまくいったことだけでなく、やり直した過程を聞く
- 「どう思いますか」ではなく、「そのとき何をしましたか」と聞く
主要な質問は事前に共有していただいて構いません。回答が作られたものになるのではという懸念をいただくことがありますが、準備できたほうが具体的な事実が出ます。即興性が必要な場面は、当日の追加質問で足りることがほとんどです。
質問設計の考え方は、10代・高校生への登壇依頼にも整理しています。
事実確認は、公開情報で先に潰せる
締切が近い場合、こちらへの確認を待たずに済む部分があります。
TEIGEN JPは、次を公開しています。
- FACT SHEET——設立・規模・実績の数字を1枚にまとめたもの
- 代表プロフィール——30字・80字・200字と英語版
- プレスキット——ロゴ、代表プロフィール写真などの素材
- 数字の定義と出典——各数値がいつ時点の、何を数えたものか
数字を引用される場合は、時点の表記を残していただけると助かります。「メンバー38名(2026年6月時点)」のように、時点のない数字は翌年に誤りになります。
素材をご提供する場合のクレジット表記は「写真提供=TEIGEN JP」です。団体名は「学生団体TEIGEN JP」または「TEIGEN JP」と表記してください。
これらはニュースルームに、数字の定義と出典は実績と外部評価に掲載しています。
政治を扱う団体への取材で、確認される点
主権者教育を扱うため、立場を問われることがあります。
TEIGEN JPは、組織として特定の政党・候補者を支持または反対せず、投票先の誘導を行わない方針を役員会で合意し、公開しています。授業でも実在の政党・候補者・争点の賛否は扱いません。
この方針があるため、選挙期間中の取材で、特定の争点への賛否をコメントとして求められた場合はお受けできません。制度や教育の設計についてのコメントは可能です。事前にどちらを求めているかをお知らせいただけると、無駄な往復を避けられます。
取材・コメントに対応できるテーマ
- 主権者教育・体験型の学びの設計
- 10代の社会参加、若者の政治参画
- 18・19歳の投票率と、その構造的な背景
- 掃除教育・公共心の教育
- 10代が運営する組織のつくり方
このほかのテーマでも、お答えできる範囲があればご相談ください。対応可能なテーマの詳細はニュースルームに掲載しています。
私たちについて
TEIGEN JPは、2023年6月に東京都足立区で設立した学生団体です。高校生・大学生38名(2026年6月時点)が、一都三県から参加しています。
足立区役所・区議会・教育委員会・選挙管理委員会と共創する体験型主権者教育「モギ区長選」、株式会社ダスキンの協力のもとカリキュラムを開発した小学校向けの掃除教育の出前授業などを実施し、延べ1,000人以上に機会を届けてきました。
事実確認・取材のご連絡は contact@teigenjp.org へお願いします。