企業が10代と組むとき協賛で終わらせない共創の設計
教育や次世代育成をテーマにした取り組みは、社内で反対されにくい一方で、続けるのが難しいという特徴があります。
理由ははっきりしています。「良いことをした」という感触は初年度で得られますが、双方に何が残ったかを説明できないまま2年目を迎えるからです。
この記事では、10代の団体と組むときに最初に決めることを整理します。
この記事は、こんな方に向けています
- 教育・次世代育成でCSR/CSVを設計する企業・財団の担当者
- 協賛や寄付から一歩進んだ関わり方を探している方
- 社内で成果をどう説明するか迷っている方
- 社員研修や社内イベントで10代に登壇を依頼したい方
- 単発で終わった取り組みを立て直したい方
3つの関わり方を、混ぜずに選ぶ
10代の団体との関わりは、性質の違う3つに分かれます。混ぜると、どれも中途半端になります。
| 形 | 企業が出すもの | 企業に残るもの | 向いている段階 |
|---|---|---|---|
| 協賛・寄付 | 資金 | 支援の実績と報告 | 関係の入口 |
| 共創(事業開発) | 専門知見・人 | 開発した教材・知見 | 継続前提のとき |
| 登壇・研修 | 場と時間 | 社員が受け取る視点 | 社内へ還したいとき |
多くの取り組みは、共創のつもりで協賛の形をとってしまい、報告書だけが残ります。
共創にするなら、専門知見を出す
資金だけを出す関係は、金額が増えても質が変わりません。
一方で、企業が持つ専門知見を教材に落とし込む関係は、双方に資産が残ります。
TEIGEN JPは、小学校向けの掃除教育の出前授業「地域をまもれ!おそうじ隊」のカリキュラムを、株式会社ダスキンの協力のもとで開発しました。清掃のプロフェッショナルの知見を、子どもが手を動かして学べる形に翻訳した授業です。2025年12月に足立区立足立小学校で初開催しています。

この形が続くのは、企業側にも「自社の知見が教育の形になった」という成果が残るからです。寄付の報告書とは、社内での説明のしやすさが違います。
社内で説明するための4点
取り組みを翌年へつなぐには、初年度のうちに次を記録しておきます。
- 誰に届いたか——人数だけでなく、対象の属性
- 何が新しくできたか——教材、プログラム、仕組み
- 社員が関わったか——何人が、どの工程で
- 相手側に何が残ったか——団体側の成長や実施能力
4つめを書ける取り組みは、翌年も通ります。支援した側の実績だけを書くと、単年度の話で終わります。
支援の使途は、区分で見せてもらう
資金を出す場合、使途がまとまった金額として報告されると、社内での説明が難しくなります。
TEIGEN JPは、支援の使途を5区分で公開しています。2026年のクラウドファンディングでは、26名から目標の139%にあたる総額279,000円の支援をいただき、この区分に沿って活用しました。
金額の大小より、使途が区分で示され、報告の形が決まっているかを確認してください。
社内へ還すなら、登壇の設計を変える
社員向けのイベントや研修で10代に登壇してもらう場合、依頼のしかたで得られるものが変わります。
避けたいのは、「若者代表として自由に話してください」という依頼です。範囲が広すぎて、本人も準備できず、聞く側にも残りません。
- 経験を特定する(何をした人か、どの場面の話か)
- 聴衆に何を持ち帰ってほしいかを先に伝える
- 大人の議論の最後に感想を求める形にしない
依頼文の書き方は、10代・高校生への登壇依頼にまとめています。
TEIGEN JPの登壇は、1コマ(50分)〜/2万円〜(+交通費は実費)で、対面・オンラインの双方に対応しています。
私たちについて
TEIGEN JPは、2023年6月に東京都足立区で設立した学生団体です。高校生・大学生38名(2026年6月時点)が、主権者教育・若者参画と、掃除教育・公共心教育の二本柱で活動しています。
行政・議会・学校・企業と対等に協働してきた実績があります。協働メニューは学校・自治体との連携に、ご相談はお問い合わせから承ります。