ナゼ、主権者教育は
「投票する練習」で終わってしまうのか。
02 The Reality|現状
投票率だけが、問題なのではない。
2022年参議院選挙における18・19歳の投票率は34.49%(総務省)。しかし私たちが現場で見てきた課題は、数字の低さそのものではありません。学校で行われる主権者教育の多くは、選挙制度の学習と模擬投票にとどまり、「政策がどう生まれ、どう問われ、どう決まるのか」という民主主義の中身に触れる機会がほとんどないことです。
公職選挙法の下では18歳未満の選挙運動が制限されており、若者が政治に「つくる側」として触れる制度的な余地は極めて限られています。投票日だけが政治参加のすべてになったとき、若者は社会の観客であることに慣れていきます。
03 Our Insight|仮説
投票行動だけではなく、立候補と政策立案の過程を経験することで、若者は政治の当事者になれる。
モギ区長選は「投票の練習」ではありません。参加者自身が地域課題を分析し、政策を立案し、選挙公報や演説をつくり、立候補する側のプロセスを経験する。他者の政策を問い、自分の政策が問われる。この往復の中でしか、政治は自分の言葉になりません。
さらに、政策を異なる立場(世代・職業・生活状況)から再検討する独自手法「パラダイムチェンジタイム」を導入し、自分の正しさを疑う熟議の体験まで設計しています。
04 The Experience|体験設計
当日、参加者はこう過ごす。
05 The Result|成果
数字と、その意味。
Scenes
現場の空気ごと、伝える。
問いが生まれ、議論になり、政策になり、演説へ。ひとつの現場の物語を、6つの場面で。写真を選ぶと、その場面がひらきます。
記録写真をランダムに一挙公開
Survey|事後アンケート
参加者は、何が変わったと言ったか。
「本当の選挙みたいで、リアルだった。」
「議論したことを政策案としてまとめる時、考えを形あるものにできて達成感があった。」
「地方行政に興味がなかったのに、この日を境に情報を追いたくなった。学校にも講義しに来てほしい。」
「自分から積極的に発言する力が身につきました。新しい友達もできました。」
「初めて投票を体験できて嬉しかった。発表のころには、班に絆が生まれていた。」
モギ区長選2026 参加者アンケート(2026年3月実施)より抜粋。表記は学年・居住地域のみとしています。




06 Voices|当事者の声
参加した本人が、次の運営者になる。
「参加者としてモギ区長選に関わってから一年後、運営を担う立場へと移りました。仲間に背中を押され、受験とイベントに全力で向き合い駆け抜けた日々は、今の自分を形づくる大切な経験であり、大きな自信につながっています。」



07 Behind the Project|舞台裏
本物の政治空間を借りるということ。
モギ区長選は、区役所・議会・教育委員会・選挙管理委員会という複数の行政組織との調整の上に成り立っています。会場確保、備品借用、議員への協力依頼、広報、当日運営——そのすべてを学生が担うため、依頼文書の品質、期日管理、当日の所作まで、団体の信頼そのものが問われます。
失敗も改善も重ねてきました。初回は約30名規模での試行から始まり、庁舎ホールの使用、議員参加の拡大、パラダイムチェンジタイムの導入と、開催ごとに体験設計を更新しています。運営マニュアルの標準化を進め、他地域でも再現可能なモデルへの深化を図っています。



現場を動かすのは、10代の運営メンバー。
立候補者を迎え、議場を借り、投票を運び、本番を進行する——モギ区長選のすべての場面を、同世代の運営メンバーが自分たちの手でつくっています。