高校生の学生団体立ち上げ最初の3か月で仲間・活動・役割を形にする
読了 約10分
自分の地域や学校に違和感を持っていても、それが本当に社会課題と呼べるものなのか、自信を持てないこともあるでしょう。周囲から「意識が高い」「目立ちたいだけ」と思われそうで、友人に相談できない方もいるかもしれません。
すでに団体名やSNSアカウントをつくったものの、具体的な活動が決まらず、投稿する内容がなくなってしまった方もいるでしょう。反対に、やりたい企画はあるものの、一人で行政や学校へ連絡する勇気が出ない場合もあります。
友人を誘ってみたものの、相手との熱量に差があり、自分ばかりが準備していると感じている方もいるはずです。仲間を集めてから活動を考えるべきか、最初の企画をつくってから募集するべきか迷うこともあります。
また、推薦入試や実績づくりのために始めたと思われたくない、自分自身も本当に対象者のために活動しているのか分からなくなる、といった悩みもあります。
そこでこの記事では、問題意識の整理、最初の企画、仲間集め、役割分担、会議、振り返りまで、最初の3か月で行いたいことを紹介します。
この記事は、こんな方に向けています
- 学生団体をつくりたいが、何から始めればよいか分からない高校生
- 社会や地域への問題意識を、活動へ変えたい10代
- 一人で始めることに不安を感じている方
- 友人を誘ったものの、熱量の差に悩んでいる方
- SNSや団体名は決めたが、具体的な事業が決まっていない方
- 最初のイベントをどの規模で行うべきか迷っている方
- 行政、学校、企業などへ初めて連絡したい方
- 活動が自己満足になっていないか心配な方
- 途中でやめたら失敗になるのではと不安な方
団体をつくること自体をゴールにする必要はありません。まず、自分が何を問い、誰にどのような経験を届けたいのかから考えていきます。
最初から立派な答えを持っていなくてもよい
学生団体を立ち上げるなら、解決したい社会課題と、その解決方法を明確に説明できなければならないと思うかもしれません。
しかし、最初から答えが分かっている問題ばかりではありません。
団体の出発点になるのは、完成した解決策よりも、日常の中で感じた違和感です。
- ナゼ?この機会は一部の人にしか届かないのか
- ナゼ?意見を言う人はいつも同じなのか
- ナゼ?地域の課題を10代が考える場がないのか
- ナゼ?自分たちは社会の意思決定を遠く感じるのか
こうした疑問は、最初から美しい言葉にまとまっていなくても構いません。
大切なのは、「自分がそう感じた」で終わらせず、他の人も同じ状況にあるのか、すでにどのような取り組みがあるのかを調べることです。
TEIGEN JPの「問いは、社会を動かせる。」という言葉も、疑問を持つだけで社会が変わるという意味ではありません。
問いを、調査、対話、企画、政策、授業へ変え、誰かと実行することで、初めて社会との接点が生まれます。

1か月目は、団体名より「ナゼ?自分たちが行うのか」を考える
団体を始めようとすると、名前、ロゴ、SNS、代表や副代表といった役職を先に決めたくなります。
外から見える形ができると、活動が始まった実感を持てるからです。
しかし、最初に考えたいのは、新しい団体をつくる必要が本当にあるのかという点です。
同じ課題に取り組む団体や制度がすでにある場合、自分たちで新しい組織をつくるより、既存の活動へ加わったほうが早く価値を届けられる可能性もあります。
次の問いに答えてみてください。
- どのような場面に違和感を持ったのか
- 誰が困っているのか
- 当事者へ実際に話を聞いたか
- すでにどのような取り組みがあるか
- 既存の取り組みでは届いていない人は誰か
- 10代である自分たちだからできることは何か
- 団体をつくらずに実現する方法はないか
- 一回の企画と継続的な団体のどちらが適切か
最初の1か月では、次の一枚をつくることを目標にします。
- 自分が違和感を持った場面
- 誰に関係する問題か
- 現時点で分かっていること
- まだ分からないこと
- 最初に試したいこと
- 最初の活動で確かめたいこと
- 現時点では行わないこと
2か月目は、大人数を集めるより小さく実践する
仲間が少ないと、「まずメンバーを増やさなければ何もできない」と感じるかもしれません。
しかし、活動内容が決まっていない状態で大規模な募集を始めると、参加した人に任せる仕事がありません。
最初の実践は、小さくても構いません。
- 課題について当事者や関係者へ話を聞く
- 少人数の意見交換を開く
- 学校や地域の課題を調査する
- 小規模なワークショップを試す
- 行政や専門家へ構想を相談する
- 教材や企画案を少人数で検証する
重要なのは、企画、実施、振り返りまでを一度経験することです。

| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 対象者 | 誰に参加してほしいか |
| 目的 | 参加者に何を経験してほしいか |
| 変化 | 実施前後で何を確認するか |
| 場所 | 安全に実施できるか |
| 費用 | 誰が負担し、記録するか |
| 責任 | 誰が最終確認するか |
| 個人情報 | 氏名、写真、連絡先をどう扱うか |
| 継続 | 次回も行う価値があるか |
未成年者だけでは判断しにくい事項もあります。
会場利用、金銭、個人情報、写真撮影、外部の大人との連絡については、信頼できる大人や施設の担当者に相談してください。
仲間は「同じ熱量の人」ではなく、同じ問いを考えられる人から探す
設立者は、問題について長い時間考えています。
後から誘われた友人が、最初から同じ熱量を持っていないのは自然なことです。
それでも、「自分と同じくらい本気な人」を求め続けると、誰も十分に見えなくなることがあります。
最初に確認したいのは、熱量の高さより次の点です。
- 問題意識に関心を持てるか
- 分からないことを質問できるか
- 小さな仕事を引き受けられるか
- 期限や難しい状況を伝えられるか
- 自分と異なる意見を出せるか
- 団体や代表の考えも問い直せるか
TEIGEN JPの合言葉は「Always Be a Questioner.」です。
代表の考えへ無条件に賛成する人だけを集めるのではありません。受け取った問いを、自分の言葉で考え直せる仲間が必要です。

友人を誘う場合も、「手伝ってほしい」とだけ伝えるのではなく、次の内容を説明します。
- 何を一緒に考えたいのか
- 最初の1か月で何をするのか
- どの程度の時間が必要か
- 最初に任せたい役割
- 参加しない選択もできること
- 途中で役割を見直せること
一人の返事で活動全体の価値を判断せず、問いに関心を持つ人を少しずつ探していきましょう。
3か月目は、肩書より責任の流れを決める
仲間が集まると、代表、副代表、広報、企画といった肩書を決めたくなります。
ただし、肩書があっても、誰が最終的に確認するかが曖昧なら仕事は進みません。
最初に決めるのは、次の五つです。
- 誰が外部へ連絡するか
- 誰が期限を管理するか
- 誰が資料を最終確認するか
- 誰が金銭と個人情報を確認するか
- 意見が割れたとき、誰がどう決めるか
人数が少ない段階では、一人が複数の役割を持っても構いません。
事業ごとに、次を決めれば十分です。
- 最終責任者
- 実務担当者
- 相談相手
- 期限
- 完成条件
- 担当者が決められる範囲
- 全員で確認する事項
「全員で決める」という言葉は公平に聞こえますが、全員の予定が合うまで何も決まらないことがあります。
反対に、代表だけで決め続ければ、他の人は指示を待つようになります。
担当者が判断できることと、全員で話すべきことを分けることが必要です。

最初の90日間は、この順序で進められる
最初の3か月で、組織を完成させる必要はありません。
次の流れを一つの目安にできます。
| 期間 | 行うこと | 到達点 |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | 問題意識と対象者を整理する | 団体を始めたい理由を説明できる |
| 3〜4週目 | 当事者や関係者へ話を聞く | 自分の仮説のずれを知る |
| 5〜6週目 | 最初の小さな企画を設計する | 対象、目的、役割、期限が決まる |
| 7〜8週目 | 必要な仲間や協力者を探す | 仕事を分担できる |
| 9〜10週目 | 小規模に実施する | 企画を最後まで経験する |
| 11〜12週目 | 振り返りと次の判断を行う | 続ける理由と変える点が決まる |
この期間で、フォロワーやメンバーを大幅に増やす必要はありません。
確認したいのは、次の点です。
- 問いを他の人へ説明できるか
- 対象者の声を聞いたか
- 最初の実践を最後まで行ったか
- うまくいかなかった点を記録したか
- 自分以外にも役割があるか
- 続ける理由があるか
- 続けない判断もできるか
会議の回数より、決定と次の行動を残す
団体を始めると、話し合うことがたくさんあります。
会議が長くなったり、同じことを何度も話したりすることもあるでしょう。
話し合いが無駄なのではありません。ただし、会議後に次の行動が決まっていなければ、活動は前へ進みません。
最低限、次を記録します。
- 決まったこと
- 決まらなかったこと
- 判断の理由
- 担当者
- 期限
- 次に確認する日
最初から複雑な報告制度をつくる必要はありません。
一つの共有資料に「進んだこと」「困っていること」「次に行うこと」を書き、定期的に確認するだけでも十分です。
制度は、立派な組織に見せるためではなく、情報や仕事が一人の中で止まらないようにするためにつくります。
学生団体を始めることは、自分の特別さを証明することではない
学生団体を始めると、周囲からどのように見られるかが気になることがあります。
実績ができなければ恥ずかしい、途中でやめたら失敗だと思われる、と感じることもあるでしょう。
最初の企画がうまくいかなかったとしても、当事者へ話を聞き、自分の仮説が違っていたと気付けたなら、それも重要な前進です。
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